超レ欲ス
浅瀬ちゃんはメールを全然しない人だった。
このひと月ほどの付き合いの中で、意を決して俺から二度三度メールを送ったことがあったが、いずれも返事はなかった。
第二百二十六回送信メール自己採点の結果、このままではラチがあかないことにようやく気付き(どうせバカです)、これまた意を決して学校で本人に直接(遠回しに)訊いてみたところ、もともとメール無精で返さないことが多いのだと笑った。
それは俺にとっては笑い事ではなかった。
だってそれはつまり、メールでは彼女と接点を保つことが出来ないということだったからだ。
こまるのだ。
それではすごーく困るのだ。
友達未満、他人以上。
それが今の俺と彼女の距離感なわけで、メールというコミュニケーションツールを断たれたとなれば、シャイな俺は打つ手を失い、すぐまた他人に逆行してしまうだろう。
それはなんとしても阻止せねばならなかった。