超レ欲ス

俺の内心など知らぬ浅瀬ちゃんは、じっくりくりと俺の目を見て話す。

「じゃあ次、これ。はい。これで十冊目だっけ?よく読むよねキミも。私もヒトのこと言えないけどさ。テスト勉強してる?来週から期末だよ?」

などと言いつつ、新しい本を差し出してくれる浅瀬ちゃん。それを受け取ろうとして、思いがけずすっと触れた細い指にドキリとする。

あぁ俺、なんてベタなんだ。

でもいいの。幸せだから……。

「ぼ、ボチボチかな。それよりヤバイのは志田じゃないかな。あのバカ……い、いやっ!バカはないけど、アイツさ、一年の時、単位五つもすべりかけてたんだぜ。あ、いや……そんなの知ってる……かな」

しどろもどろ。

うおおっ!

穴があったら放り込んで埋めたあげくにセメント詰めて舗装しちまってくれえ!

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