超レ欲ス
*
「え。連絡とってないの?一回も?」
「んー。うん」
「なんで」
「だって、……私……メールしないからね」
「志田からは?」
首を横にふる浅瀬ちゃん。
「電話は?番号知ってるんでしょ?」
これまた首を横にふる浅瀬ちゃん。
おいおい……じゃあアレ、何のためのメアド交換だったんだよ。
――骨折り損じゃん。
「じゃあ、こっちから送ってみたりとか」
浅瀬ちゃんはなにも返さず視線を逸らし、そして独り言のように呟いた。
「知らなかった。そんなの、教えてくれなかった……。ユタカ、私より成績良かったはずなのに。……私、やっぱり……」
「なんだって?」
尻すぼみになる声は後半から聞こえなくなり、俺はそう訊き返す。
すると、曇っていた彼女の表情は慌てたように……取り繕うように……いつもの社交的なそれを形作り、
「あ、ううん。いいの。……そうだね。一回、こっちから、送ってみようかな」
と笑ってみせた。
いつもなら可愛いと思うその顔は、なんだか今はとてもうさんくさく感じられたのだった。