超レ欲ス



「え。連絡とってないの?一回も?」

「んー。うん」

「なんで」

「だって、……私……メールしないからね」

「志田からは?」

首を横にふる浅瀬ちゃん。

「電話は?番号知ってるんでしょ?」

これまた首を横にふる浅瀬ちゃん。

おいおい……じゃあアレ、何のためのメアド交換だったんだよ。

――骨折り損じゃん。

「じゃあ、こっちから送ってみたりとか」

浅瀬ちゃんはなにも返さず視線を逸らし、そして独り言のように呟いた。

「知らなかった。そんなの、教えてくれなかった……。ユタカ、私より成績良かったはずなのに。……私、やっぱり……」

「なんだって?」

尻すぼみになる声は後半から聞こえなくなり、俺はそう訊き返す。

すると、曇っていた彼女の表情は慌てたように……取り繕うように……いつもの社交的なそれを形作り、

「あ、ううん。いいの。……そうだね。一回、こっちから、送ってみようかな」

と笑ってみせた。

いつもなら可愛いと思うその顔は、なんだか今はとてもうさんくさく感じられたのだった。

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