恋があと?結婚が先?
注射のあと、当直明けだった大地とゆうりは一緒に眠った。
夕方になって少しさがってた熱が上がってきた。

ゆうりの熱は上がったり下がったりしながら、なかなかスッキリよくならない。
日曜は大地は仕事は休みだったみたいで、家でゆっくりしていたけど、お昼前になって、「ゆうり、診察しよう」って聴診器もってきた。
「熱測るよ」って体温計を挟まれた。38度2分。聴診もして、喉も診た。
「ゆうり、イヤなのはわかってるけど、まだ、熱も高いし、注射した方がいいけど、処方されてる注射がどうしてもイヤで、別の薬に変えてもらうなら、病院行かないとだけど、どうする?」
「全部、いや」
「それは無理。ここにある注射を我慢するか、病院行くか、どっちかだよ。そんなに辛いなら病院いく?連れていってあげるよ」
「。。。涙。。。」

大地は電話をかけ始めた。
「もしもし和馬?今大丈夫?。。。ゆうりなんだけど、熱下がんないんだ。今も8度2分。注射、すごい嫌がっちゃって、あの薬ってそんなに痛かったっけ?」
大地は村田先生と電話で話ししているみたい。
しばらく、話をしているのを聞いてたけど、結論はよくわからないまま、電話が切られた。

「ゆうり、和馬が往診に来てくれることになった。薬も変えることができるように持って来てみるって、だから、もう泣かなくていいよ。そんなに負担になる治療ならしない方がいいからね。いくら良い薬でもゆうりの身体が受け付けないんじゃ、毒だからね。ゆうりに合う薬を探してもらおう」
「大地じゃ、ダメなの?どうして村田先生なの?」
「身内には処方しないっていうのがルールなんだ。どうしても冷静な判断ができないから。ゆうりの状態とか、薬が必要なこととか僕でもわかるけどね。第3者の目で冷静に診てもらった方が安心だろう?」

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