恋があと?結婚が先?
夕方には大地さんは復活してきたって起き出してきた。
お母さんも大地さんのお腹の診察をして、もう大丈夫そうねって言って帰っていった。

大地さんによると、熱もなかったし、吐き気と下痢が少しだったから、かなり軽かったって。。。外来で診察しているときに、胃腸炎の患者さんが数人いたから、もらっちゃったんだろうって。。。気をつけて手洗いしていたんだけどって。。。

大地さんが完全に復活したって仕事に戻った日の夜、吐き気がする。大地さんがうつしちゃったなぁってごめんなって謝ってくれたけど、どうしようもない。気持ち悪いだけだったから、軽いかなって安心していたのに、夜中に吐いてしまった。もう何にも出るものないと思うけど、吐き気が止まらなくて、トイレから動けない。大地さんにずっとトイレにいたら、身体が冷えちゃうからってベッドに戻されたけど、えづきが止まらなくて、洗面器を抱えてる。
大地さんから「実家に電話して、薬持ってきてもらうか、病院行くか、どうしようか?」って聞かれた。
時計見たら2時で、こんな時間に大地さんの実家に電話するなんてダメって言ったら、「だったら病院行くよ。吐き気どめの注射しないといけない。脱水症状起こす前に点滴もした方がいい。」
しんどくて動けないでいたら、大地さんに、やっぱり外は寒いし、実家に電話するよ。って言われてしまった。

お父さんとお母さんは、深夜の電話で往診の依頼は高齢者とかでよくあるから大丈夫って言って、すぐ往診セットと薬を持って来てくれた。

「ゆうりちゃん、大地のがうつっちゃったね。ごめんね。」ってお母さんが言いながら、大地さんが言うとおりに注射とか点滴とか用意して、お父さんはリビングにいるって、席を外してくれた。
大地さんから「ゆうりちゃん、先に吐き気どめの注射うつからね。ちょっと身体を横にできる?こっち向いてごらん。」って体の向きを変えて、パジャマのズボンと下着を少しずらして、腰の下のほうを消毒した。
しんどいのと、怖いのとで体が震えてきた。
大地さんに「ゆうりちゃん、怖い?大丈夫だよ。ちょっとチクってするだけね。すぐ終わるからね。」って言われて注射が打たれた。
痛かったけど、声もでなくって、涙もでなかった。注射のあと、点滴をするって左腕に針が刺された。もうしんどくて点滴は全然痛くなかった。

眠ってしまってて、気がついたら、大地さんも隣で寝ていた。点滴はまだポタポタとゆっくり落ちているのが見えた。
大地さんが気がついて、「ゆうりちゃん、吐き気はどうかな?」って聞かれたから、大丈夫って答えた。
大地さんによると、あのあと、お父さんとお母さんは、点滴とか注射器とか薬とか必要なものを置いて帰ったらいし。
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