恋があと?結婚が先?
待合のソファーでぼんやりしているうちに、意識が薄れてしまっていたらしい。
「河合ゆうりさん、河合さん」って呼ばれながら、身体を揺すられて気がついた。
「あっ、はい、すみません」
「良かった。意識がないのかと思いました。立てますか?」って看護師さんに支えられてソファーから起き上がったけれど、クラってして、ソファーに戻ってしまった。
「ちょっと、しんどそうですね。待っててください」
看護師さんが車椅子を持ってきて、座らせてくれて、診察室に連れていってくれた。

「ゆうりさん。早速ですが、診察しますね。」って村田先生が一通りの診察をした。
「軽い熱中症でしょう。点滴して様子みましょう。それと、何か飲めそうですか?点滴だけより、少しでも口から飲んでもらった方がいいからね。」

処置室のベッドに寝かされた。
村田先生が点滴持って来たときに、大地もきた。
「ごめんね。ゆうり。和馬、どんな感じ?」
「軽い熱中症だろう。脱水起こして吐き気が出てるんだろう。点滴で様子みながら、経口摂取もさせてみる。喘息とかは心配ない」
「そうか。今日、暑かったのに、炎天下の中、帰宅してなったんだろうなぁ」
「ごめんなさい」
「しょうがないよ。なりたくてなったわけじゃないでしょ?さ、ちょっとチクってするけど、がんばって」って村田先生が点滴の針を刺した。
ちょっと痛かったけど、すぐに痛みはなくなって、ホッとした。
「それじゃ、少ししたら、経口補水液を処方するから飲んでみてね」って村田先生は行ってしまった。
「ゆうり。ちょっと眠る?30分くらいしたら、飲んでみたほうがいいからすぐ起こすけど」
「ううん。眠くはないよ」
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