私を暴いてみせて





すぐにドアが開いて、笑顔で出迎えてくれた。
俺の後ろに居る海斗に気がついて、視線を俺に戻して尋ねる。




「聖夜くん、そちらの方は?」




チラリと海斗に目線を移して首を傾げた。
海斗は口角を上げ、得意の笑顔で自己紹介をする。




「初めまして〜。海斗です」




ヘラヘラしたような笑みで言うと、さつきのお母さんも微笑んだ。
海斗は人懐っこい笑みが得意だから、初対面の人も大体緊張感が緩んでしまう。
知ってしまえば胡散臭い笑みだと思うんだけど。




「海斗くんね、初めまして。さあ、2人とも上がって。さつきも喜ぶわ」




俺達を招き、さつきのお母さんはお茶を持って来ると言って、俺達を先に行かせた。
階段を上がって、部屋の前に立つ。




「ここがさっちゃんの部屋?」


「そう」




コンコン、2回ノックをする。
物音が聞こえて、ドアがゆっくりと開いた。




「……はい」




少し掠れた声の、パジャマ姿のさつきだ。




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