溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
こうやって佐々木君の知らなかった一面を見て知っていったら私……どうなるんだろう。

未来のことはわからない。でも今は佐々木君のことを知りたいと思っているし、この先も関わっていきたいと思っている。

「あの、佐々木君」

「ん? 今度はなに?」

佐々木君はすべて話してくれた。だからこそ私も正直な気持ちを伝えるべきだよね。

「私は佐々木君と同じ気持ちじゃないし、正直その……この先、佐々木君のことを好きになれるかわからない」

「……うん」

少しだけ彼の瞳が揺れた。

でも伝えないわけにはいかないよ。佐々木君には正直でいたいから。

「でも佐々木君と話したいし、佐々木君のことをもっと知りたいと思っている。今はそれだけでもいいかな? ……そばにいる理由」

私が誰かを好きになったのは先生が初めてで、先生以外の男の人を好きになったことがない。

「正直その、私は先生以外誰かを好きになったことがなくて、それに色々あって変わらない気持ちなんてないと思っているの。……怖いのかもしれない。誰かを好きになることが」

辛い時、支えてくれた先生のことを好きになって、もう先生以外好きになれないとさえ思った。
< 105 / 279 >

この作品をシェア

pagetop