溺愛診察室～一途な外科医に甘く迫られています～

でもそろそろ取材をはじめないといけない時期だし……。頼るのは気が引けるけれど、今度佐々木君に会ったら聞いてみようかな。

佐々木総合病院にイケメンドクターがいないかどうかを。

そう心に決め、街中の飲食店への取材のためオフィスを後にした。



「街角イケメンコーナー？」

「うん、私が担当しているんだけど、その……今度お医者さんを掲載できたらなって思っていて。誰かいないかな？」

この日の夜。おばあちゃんの病室を訪れたものの、佐々木君に会うことはできなかった。

毎日来れば必ず会えるわけではないし、おばあちゃんの様子を見られたから諦めて帰ろうと病室を出たところで、佐々木君に声を掛けられた。どうやら先ほどまで手術だったようだ。

「家までは送れないけど、玄関先まで送る」と言われ、お言葉に甘えて病院の廊下を歩いている途中、思い切って尋ねてみた。

「探しているんだけど、なかなか見つからなくて。大きい病院だし、どうかないるかな」