溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「菌を除去しないとまた再発の恐れがあるから、二週間前後の入院になると思う。その後は自宅で処方された薬を飲用してもらう。それと胃がんの検査も入院中にしたいと思っている。……多いんだ、ピロリ菌による胃がんの発症率が。だから念のために検査するよ」

「……うん」

そう言うと佐々木君はパソコンでカルテを作成していく。

カタカタとキーを叩く音だけが、診察室内に響く。

一通り説明されたけれど、頭がついていかない。それにひとつだけどうしても気になることがある。

「あの、佐々木君。ひとついいかな?」

様子を窺いながら尋ねると、彼はすぐに手を休めて「もちろん」と言うと私と向き合った。

「なんでも聞いて」

聞く体勢に入った彼に不安なことを問う。

「おばあちゃんはその……命にかかわるような病気ではないんだよね? また前のように元気になるんだよね?」

恐る恐る尋ねると佐々木君は私の不安を取り除くように言った。
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