溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「おいおいおい、真太郎やるじゃないか! こんなに愛らしいお嬢さんを捕まえるとは」

「お義兄さん、真太郎は俺の息子ですよ? 素敵な女性を捕まえて当然です」

「なにを言う! 健太郎のくせに生意気な。内心小躍りしているんじゃないか? このむっつりめ」

「お義兄さんにだけは言われたくありませんね。聞きましたよ? お孫さんを溺愛しすぎてお嫁さんに迷惑がられているそうじゃないですか。そのうちお孫さんにも嫌われますよ?」

「な、なに~!?」

目の前で繰り広げられる兄弟喧嘩?に、箸を持つ手はすっかり止まってしまった。

えっと……どうして私、ここにいるんだろう。

思い返すと、あれよあれよという間に佐々木君に連れて来られた気がする。

『俺の家に来ない?』って言われ、驚く私の腕を引き彼が向かった先は、佐々木総合病院の近くの高級住宅街。

その中でも一際目を引く洋館の三階建ての豪邸が、佐々木君の実家だった。

外観以上に内装はもっと豪華で、玄関に入るなりその広さに驚愕した。三階まで吹き抜けになっていて、天井はガラス張りになっており、星空が見えた。
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