溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
そしてアンティークの小物がオシャレに飾られている廊下を抜けると、二十畳以上はあるリビングダイビング。

大きな窓ガラスからは、手入れの行き届いた庭がライトアップされているのを眺めることができて、幻想的な光景に視線を奪われた。

そして突然来訪した私を、熱烈に歓迎してくれたのは佐々木君のご両親と、お母さんのお兄さん夫婦。

どうやら今日はホームパーティーを予定していたようだ。

テーブルには既にたくさんのご馳走が並べられていた。

状況が飲み込めないまま、私を交えてのホームパーティーが始まったわけだけど……ほどなくして、佐々木君のお父さんとお義兄さんのケンカが勃発した。

「どうしてお前は昔からそう可愛くないんだ!」

「男に可愛らしさは皆無でしょう。第一俺が可愛かったら気持ち悪いでしょう?」

「むっ。それもそうだが、いやっ! そういう問題じゃない!!」

目の前で繰り広げられている光景に唖然としていると、隣に座っている佐々木君が、コソッと耳打ちしてきた。

「ごめん、気にしないで。いつものことだから」

「え、でも……」
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