溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
止めなくていいの? 徐々にヒートアップしている気がするんだけど、大丈夫?

ひとりハラハラしていると、佐々木君は我関せず状態で、ご飯を口に運んでいく。

「大丈夫、現に母さんたちだってほら、あの調子だし」

斜め向かいに座っている佐々木君のお母さんたちは、ふたりのケンカが見えていないかのように、楽しそうに話している。

本当だ、全然動じていない。じゃあこれが本当にいつもの食事風景なのだろうか。

そんなことを考えている間も、ふたりの言い合いはヒートアップしていき、お互い椅子から立ち上がった。

これにはさすがにお母さんたちも見兼ねて、ふたりの間に入った。

「もうケンちゃん、いい加減にして!」

「和臣さんもですよ!」

あれほど言い合いをしていたのに、奥さんの一言にふたりは口を結んだ。

す、すごい。誰にも止められない雰囲気だったのに。

「せっかく真太郎が彼女を連れてきてくれたのに、どうするの? こんな家にはお嫁に来たくないって言われたら」

「和臣さんみたいな叔父がいる親戚とは、付き合いたくないって思われるかもしれませんよ!?」

えっ! 彼女? お嫁!?
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