溺愛診察室～一途な外科医に甘く迫られています～

いいな、従弟同士仲が良いのって。私もお母さんが生きていた頃は、従兄弟と仲良く遊んだりしていたけれど、お父さんが再婚してからは親戚からも、お母さんが亡くなって間もないのに……って冷たい目で見られて、疎遠になっていったから。

「今日は悪かったな、急に家に連れてきたりして」

「ううん、そんな。楽しかったし、むしろ私が帰りたくないって言ったから連れて来てくれたんでしょ？　……ありがとう」

最初はびっくりしちゃったけれど、楽しい時間を過ごせた。家を飛び出してきた理由も忘れるほどに。

すると佐々木君は言いにくそうに切り出した。

「あのさ……今日、岡本さんが受診に来た時、妹さんから聞いたんだ。……ふたりの血が繋がっていないこと」

「……そっか」

そういえばさっき、私が親の再婚の話をしても、佐々木君はそんなに驚いていなかったよね。それは彩音から聞いていたからだったんだ。

妙に納得している間も、佐々木君は続ける。

「妹と色々あったって言っていただろ？　だから家に招待したんだ」

「……どう言う意味？」