溺愛診察室～一途な外科医に甘く迫られています～

頷くことができずにいると、佐々木君は「実は……」とある話をしてくれた。

「今日、妹さんから話を聞いたって言っただろ？」

「……うん」

そういえば彩音は、佐々木君にどんな話をしたんだろう。気になり、彼の話に耳を傾けた。

「そりゃもう妹さんから、佐野のことが大好きなんだって気持ちが伝わってきたよ」

「えっ？」

佐々木君は今日のことを思い出しているのか、喉元を鳴らした。

「すごかったよ、佐野愛が。……妹さん、佐野のことが好きで好きでたまらないんだろうね」

嘘……本当に？　すぐには信じることができない。

「岡本さんが俺と佐野が同級生だと知ったら、佐野のことをオススメされたよ。ふたりはお似合いだって。なんなら、私がふたりの仲を取り持ちますからとも言われたよ」

「やだ、本当に？」

彩音がそんなことを言っていたの？　だって、佐々木君のことをすごく気に入っている風に話していたのに。

仲を取り持つって……もしかしてさっき、私と佐々木君の三人で出掛けたいって言ったのは、そういうこと？
やだ、どうしよう。それなのに私……っ！