溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「またいつでも遊びにきてね。もちろん泊りでもいいわよ」

「……ありがとうございます」

その後、家まで送ると言ってくれた佐々木君と共に、お父さんも一緒に送ってくれた。「真太郎が贈り狼になったら大変だから」と言って。

結局告白はできなかったけれど、今はまだ気持ちを伝えるべきではないのかもしれない。

佐々木君に好きって言う前に、彩音と、そして両親としっかり向き合おう。少しだけ強くなった自分で彼に告白したい。そう思った。


「送ってくださり、ありがとうございました」

佐々木君のお父さんが運転する車で、家の目の前まで送ってもらってしまった。

すぐにシートベルトを外すと、運転席からお父さんが顔を覗かせた。

「いいえ、どういたしまして。またいつでもおいで」

「はい、ありがとうございます」

もう一度お礼を言いドアを開けると、隣に座っていた佐々木君が小声で言った。

「頑張って」

「……うん」

彼からのエールに自然と笑みが零れる。そのまま車から降りると、「おやすみ」と言ってお父さんが運転する車は去っていった。

車が見えなくなり、なんだか今までの時間が夢の中の出来事のように思えてしまう。
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