溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「ううん、お姉ちゃんもヤキモチ妬くんだってことが知れてラッキーだよ。でもそっかー、お姉ちゃん、佐々木先生のことが好きなんだ。うんうん、お似合いの美男美女カップルだよー」

「そんなっ……! もう、からかわないで」

「えぇー、だって本当のことだもん。ねぇねぇ、どうして好きになったの? 教えてよ」

私の腕にしがみつき、可愛くおねだりしてくる彩音。そんな彩音に頬が緩んだ。

「じゃあ彩音も教えてよ。彼氏ってどんな人なの? どうやって付き合い始めたの? 告白はどっちから?」

「やだ、お姉ちゃんってば一気に質問しすぎ」

「だって気になるから」

この日の夜、私と彩音は初めてたくさん話をした。恋バナはもちろん学生時代の話や亡くなった親のこと。

気づけば夜が明けていた時間まで、夢中で語り通した。


その後、彩音を迎えに来た両親と久し振りに会い、おばあちゃんと彩音が気遣ってくれて、私は初めてふたりと三人で話しをした。

最初はぎこちなかったけれど、勇気を出して自分の想いを伝えると、彩音の言う通りお父さんもお義母さんも、私以上に涙して泣いてしまった。
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