溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
でも佐々木君が今まで伝えてきてくれたように、私も気持ちを伝えたかったの。

恥ずかしさでいっぱいになる中、驚き固まっている佐々木君を見上げた。

「これで信じてくれる? ……両想いだって」

私はキスしたくなるほど佐々木君のことが好きだって。

けれど次の瞬間、勢いよく後頭部に頭を回された。

「全然足りない」

「――え、んっ」

一瞬にして奪われた唇。私の触れるだけのキスとは比べ物にならないほど熱くて甘いキスに、次第に心も身体もトロトロに融かされていく。

触れては離れを繰り返し、徐々に深くなっていく口づけ。どれくらいの時間、キスを交わしていただろうか。

最後にリップ音を立てて離れた頃には、お互いの息は上がっていた。

「ごめん、がっつきすぎた」

額をくっ付けてそんなことを言う佐々木君に、カッと顔が熱くなる。でも全然嫌じゃなかった。

だから首を左右に小さく振ると、彼は嬉しそうに微笑みもう一度触れるだけのキスを落とす。

そして力いっぱい私の身体を抱きしめると、佐々木君はクスクスと笑い出した。

「……どうしたの?」

気になって抱きしめられたまま聞くと、頭上から答えが返ってきた。
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