溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
遅い休憩時間、人が少ない閉店間際の食堂で煮魚定食を食べながらメッセージを見て、深いため息が漏れた。

「やっぱり行くよな」

もう一通メッセージが届いていた。【友達にも会いたいし】と。

【俺も今のところ、行く予定】

メッセージを送りスマホをテーブルに置いた。

環奈が行く以上、俺も行くしかないだろ。環奈のことを信用していないわけではないけれど、自分の目が届かないところで先生と会ってほしくない。

むしろ他の同級生の男とも会ってほしくないくらいだ。

環奈は気づいていなかったかもしれないけど、影で彼女はモテていた。その話を聞くたびに気が気じゃなかったのを、今でもよく覚えている。

そう思うと俺、昔から独占欲強かったんだな。

また違った意味で落ち込み、深く息を吐く。

その時、環奈から返信が届いた。

【真太郎も一緒に行けるの嬉しい。それとまた今度、旅行の計画を立てようね】

だけど単純な俺は、大好きな彼女からのたった一言で気持ちは上昇する。

【わかったよ】

返信しメッセージのやり取りを眺めてはニヤけそうになり、慌てて口をキュッと結んだ。
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