溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
そして事情を知らないおばあちゃんは、ニコニコ顔で佐々木君の話をする。

「本当、環奈の同級生に見てもらえてよかったわ。佐々木先生、とっても素敵な人よね。親切だし説明も丁寧で。なによりカッコよくて!」

徐々に興奮していくおばあちゃん。

「看護師さんや患者さんにとっても人気なのよ。フフフ、環奈と佐々木先生が昨夜食事に行ったなんて言ったら、みんなショックを受けるんじゃないかしら」

周囲に聞こえないようにボソッと言ったおばあちゃんに驚愕。

いや、昨夜佐々木君と食事に行ったのは事実だし、おばあちゃんに悪気はないとわかっているけれど……おばあちゃん、それを今は言ってほしくなかった。

案の定砂羽は、口をあんぐりさせている。

「砂羽ちゃんも佐々木先生のこと、知っているわよね?」

「あ、はい。それはもうとてもよく」

意味ありげなことを言うと、彼女はスクッと立ち上がった。

「おばあちゃん、ちょっとすみません。環奈と話してきます」

そう言うと砂羽は私の背中をグイグイ押してドアの方へ追いやる。

「ちょ、ちょっと砂羽?」
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