明日も、きみに逢いたい。



「…もぉ〜。私のナレーションの邪魔しないでよぉ」


クルッと振り返り、親友の真奈美は不機嫌そうだ。


「だって、真奈美、ずぅ〜〜と独り言言ってるから、そろそろ止めたほうがいいかなって。」


「独り言じゃないわよっ!この席はね、誰にも邪魔されずに王子を堪能できる素晴らし〜〜い席なんだから!」


興奮気味に話す真奈美に、私は圧倒される。


「圧がすごいよ真奈美…」



私のクラス2-Aは二階にあるため、いま王子がいる中庭がよく見える。



ふぅ〜ん、と興味無さげに返事をしながら、中庭を眺める私は、遠山 花(とおやま はな)。


私の家も父が工場を経営している。
…って言っても小さな工場だけどね。



私は家がこの学園のすぐ側で、エスカーレーターで大学にも行けるからこの学園を選んだんだけど…


まぁここにいる女子生徒は、ほぼあの王子目当てで入ってるって言っても過言ではない…って感じ。













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