明日も、きみに逢いたい。
向こうの方から男の人が駆け寄ってくるのが見えた私は、その人を待った。
きっとあの人のボールなんだな。
「…ごめんね。」
私に近づいたその人は、ニコッと笑って…だけど少し悲しそうに私にそう言った。
その笑顔に吸い込まれそうになった私…
「あ、いえいえ。…どうぞ」
必死に平常心を保った。
私はその人にボールを渡す。
先生…なのかな。
「君、新入生?」
「あ、はい。」
「そか。名前は?」
「あ、えと、遠山花です。えっと…」
次々と質問してくるので少し困惑した私を察したその人は、
「あ、ごめん。」
とまた謝って、自分の名前を名乗った。
「俺は、夏目弘人です。ここの教師やってます。」
「あ、やっぱり…」
先生なんだ。そう言おうとした時、
「俺のこと知ってる!?」
急に目を見開いて私にそう言った。