明日も、きみに逢いたい。


「あっ…はい…」

慌てて立ち上がった先輩は、急いでその場から立ち去ろうとする。


そして、王子の横を通る時。


「あ…ちなみに僕はあなたと結婚の約束も、ましてや父と食事する約束もした覚えはありません。もう二度とそのような事は言わないように。わかりましたね。」


ジロッと先輩を睨む王子。

先輩は泣きながら立ち去って言った。



「大丈夫?痛かったね。」

そう言って、岸本藤高さんは私に手を差し出してくれた。


「あ…いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」


「ごめんね。類のせいだよね。」


そうよ…!あの人のせい…!!私が王子を睨むと、王子はツーンとして、違う方向を向いていた。


「類、その態度はなんだ。」


謝りなさい。と促す藤高さんは、まるでお父さん。


「お前が一人で行くから悪いんだろ。」


また、ツーン。

どんだけ性格悪いのよ、こいつ!!



「もともとはあんたのせいでしょうが!」


私も負けじと言い返す。


< 63 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop