まずはお友達から〜目が覚めたらタイプの人に付き合って欲しいといわれました

6.彼と私だけの物語

彼のマンションから飛び出したら、なぜか涙が引っ込んだ。

すーっと冷静になっていく自分が分かる。
でもすぐに何かが湧き上がってきそうになるから、早く自分の部屋に戻りたくてタクシーを使った。

家に着いて、ぼうっとした頭のままとりあえずシャワーを浴びる。
その間も何度も彼の表情や言葉を思い出して、苦しくなっては頭を振った。

髪を乾かしてベッドに入り、スマホに充電しようと手に取ると、一件の新着メッセージが来ていた。

十中八九、彼からだろう。

恐らく謝罪のメッセージがきているのだろうが、今はそれを見る勇気はなく、さっさと充電して目を瞑った。
意外にも眠気はすぐにきて、大人でも泣き疲れるんだなと思いながら眠った。