まずはお友達から〜目が覚めたらタイプの人に付き合って欲しいといわれました
目が覚める。
時計を見れば大体6:00程。
わりとぐっすり眠れたらしい事に驚きつつ、スマホを手に取った。
変わらずそこには一件のメッセージ通知。
たった一件かいと思いつつ、そんな事を思える程大分気持ちの整理がついてきた気がして、彼のメッセージを読む事にした。
彼の名前をタップして、トークルームを開く。
それは、たった2文の短いものだった。
“絶対に誰にも教えない
俺と君だけの物語だから”
「…ははっ」
何とくさい台詞だ。思わず笑ってしまった。
要は利用しようなんてこれっぽっちも思ってません、とでも言いたいのだろう。
何度も読み返して、一度口にも出してみて、彼の言葉を反芻する。
そしてはあ、とため息をついた。
何のきっかけもなしに嫌いになってしまう事があるのに、傷付けられても嫌いになれない事があるらしい。
「…普通じゃないのよねえ…あの人は」
あの日の彼が言った言葉を思い出し、思わず笑みが溢れた。
ついでに涙も溢れた。
私は今、すごく彼に会いたい。