まずはお友達から〜目が覚めたらタイプの人に付き合って欲しいといわれました

目が覚める。
時計を見れば大体6:00程。

わりとぐっすり眠れたらしい事に驚きつつ、スマホを手に取った。

変わらずそこには一件のメッセージ通知。

たった一件かいと思いつつ、そんな事を思える程大分気持ちの整理がついてきた気がして、彼のメッセージを読む事にした。

彼の名前をタップして、トークルームを開く。
それは、たった2文の短いものだった。


“絶対に誰にも教えない
俺と君だけの物語だから”


「…ははっ」

何とくさい台詞だ。思わず笑ってしまった。

要は利用しようなんてこれっぽっちも思ってません、とでも言いたいのだろう。

何度も読み返して、一度口にも出してみて、彼の言葉を反芻する。

そしてはあ、とため息をついた。

何のきっかけもなしに嫌いになってしまう事があるのに、傷付けられても嫌いになれない事があるらしい。

「…普通じゃないのよねえ…あの人は」

あの日の彼が言った言葉を思い出し、思わず笑みが溢れた。
ついでに涙も溢れた。

私は今、すごく彼に会いたい。

< 17 / 19 >

この作品をシェア

pagetop