君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
それが高校3年で、卒業近かったし、まもなくあたしたちも上京したこともあり顔を合わせるのは今日が久しぶりだった。



「でもさ、たった一人の兄弟だよ?あたしは、いつまでもこのままではいてほしくないよ」


「わかってんだよ。このままじゃいけねぇってことくらい、俺だって。でもさ、気持ちの整理がいつまで経ってもできねぇんだよ」



そばにあった石ころを蹴りあげる。



「あたしが隙があったせいだよね……ごめんね」


「愛莉はなにも悪くないだろ……愛莉に家族のことエラソーに言っといて実際自分は、逃げてばかりで本当にかっこ悪いよな」



ぐしゃぐしゃっと自分の髪の毛をかきあげる。



「そんな……」


「愛莉も家族に向かったし、俺もちゃんとしなきゃだよな」


「あたしが向かえたのは、浩ちゃんがいたからだよ」

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