君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「家、ついたな。明日また迎えにくるから」


「うん!おやすみ」



浩ちゃんに手をふって、ドアノブを掴む。



「愛莉」



ドアノブを掴んだ手を浩ちゃんに掴まれて、引き戻される。



「浩ちゃん?」


「好きだよ、愛莉」



ぎゅっと抱きしめられる。



「どうしたの?急に」


「なんとなく。たくさん言っとかないとならない気がしてさ」


「ふふ、なにそれ。あたしも大好きだよ、浩ちゃん」



浩ちゃんのあたしを抱きしめる力がさらに強くなる。



「好き、ほんとに」


「うん、好き」



なんだろう、やっと付き合えたからだろうか。
お互いの気持ちがたくさん溢れていた。

お互い、離れてからも思い続けていた気持ち。
離れたことなんか、なかった。

だから、これから起こることなんて、なにも気が付かなかった。

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