君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「苦しいよね、自分だけだなんて」



頭上から聞こえてくる、大ちゃんの落ち着いた声。

前みたいに癒されキャラの大ちゃんではないけど。
でも、声がほんと落ち着いていて、あたしの呼吸を安定させていく。



「大丈夫、大丈夫だよ。愛ちゃん」


「でも、もう二度と思いだせなかったら……」


「そんときは俺がいる」



大ちゃんがあたしを腕から解放して笑顔で頭を撫でる。



「保険には俺がいるから。だから、諦めないで、めいっぱい思い続けてよ、俺を振ったんだから簡単に諦めてもらっちゃ困るよ?」



大ちゃんのイタズラっぽい笑み。



「大ちゃん……」


「愛ちゃんがこれでもっと傷つくんなら、俺は遠慮なく奪うからな」


「……ありがとう」



大ちゃんの存在がすごく心強かった。
応えれないあたしなのに、こうしていてくれることが嬉しかった。

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