君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「浩一ー!昼飯食おうぜ!」



入学して1週間。
隣の席の彼のまわりにはいつも人がいる。
男子も女子も。
みんなに人気なのだ。



「ご飯か……」



対してあたしといえば、あの日以来タイミングが掴めなくて友達なんか1人もできていない。
まさかのぼっちだ。



「んー、俺いいや」



輪の中心にいる彼が、そんなことを言って立ち上がる。



「なぁ、一緒に食べよ」



立ち上がったと思ったら、輪から抜けてあたしの前に立つ。



「……え?」



まさか自分がそんな声をかけられるなんて思ってもいなくて、びっくりしてしまう。



「だめ?」


「なんで、あたし……?」




この人のまわりにはいつだって人がいるのに。
こんなあたしのことなんて放っておけばいいのに。

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