君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「愛莉って呼んでもいい?」


「う、うん」



屋上のフェンスに寄り掛かって二人で並んで座る。

まさかこんなマンガみたいな場面が自分に訪れるなんて思ってもいなかった。
それもクラスの人気者的存在。



「愛莉は?ってか、お前俺の名前知ってる?」


「知ってるよ!白崎くんでしょ」



さすがに隣の席の人の名前も覚えられないほど馬鹿ではない。



「ちげーよ。下の名前」


「え?」


「まさか、俺が愛莉って呼ぶのにお前は白崎くんとでも呼ぶつもりかよ」


「うん、そのつもりだけど」



男の子との接点なんていままでそんななかったし、関わり方がわからない。



「はー?ありえないんですけど」



パンにかじりつきながら頬を膨らませてる。



「えぇ……」



ありえない、なんて言われてもあたしにはどうすればいいのかがわからない。

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