君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「ごめん、こんなこと言われても困るかもしれねーけど。誤解だけはされたくなかったから」



顔を上げて、見えた浩ちゃんの顔は真っ赤だ。
嘘なんかついてないって、わかるくらいに真っ赤だ。



「あたしだって、凛月くんのこと好きなんかじゃないよ!」


「……え?」


「あたしが好きなのは、浩ちゃんだよ!」


「え、え、え?」



あたしの言葉にさっきから同じ言葉しか発さない浩ちゃん。



「だって、凛月と……教室でいい感じだったじゃん。この前も一緒に帰ってた」


「え?この前?」


「うん。だからムカついて、好きでもねー女と俺も手つないで帰ってやった」



ムスッとした顔になる浩ちゃん。

この前のやつだ。
あれは、彼女とかじゃなかったんだ。



「京香ちゃんに、浩ちゃんには忘れられない人がいるって聞いて。偶然そのあとにきた凛月くんに慰めてもらってた時だと思う……」



教室で2人でいたときなんて、あの時しかない。

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