君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「え?」


「なんか、浩一のこと話した瞬間顔が強ばったからさ」


「あ……」



昔からそうだ。
凛月くんは、人の気持ちに敏感だ。

でも、彼女のくせに何も知らないだなんて思いたくなくて、必死に首を横に振った。



「なにもないならいいんだ。久しぶりの地元、楽しんで行ってよ」


「うん。ありがとう」



そう答えるときには、冷静さは取り戻していた。
ここで、崩れるわけなんかいかなかった。

あたしは、浩ちゃんと一緒にいるって決めた。
彼の夢を応援するって決めた。

でも、最近話せてない寂しさに加え、1人で地元に帰ってきてたなんてこと知ったら心が折れそうだった。



「……ん?」



浩ちゃんと出会った高校向かおうと歩き、通り道の本屋さんで足をとめた。

雑誌に浩ちゃんの名前が見えたきがしたから。

< 135 / 193 >

この作品をシェア

pagetop