君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「月9……?」


“2人は、次クール月9主演俳優と女優。
撮影で意気投合し、白崎の地元デートをしていたのだろう”



あたしが目を留めた場所にはそうかかれていた。



── 俺、出演が決まったら1番に愛莉に言うから

その言葉だけを信じて、なにもチェックしてこなかった自分。



「……馬鹿みたい」



きっと、ほかの人はもう知っているんだ。
次クールのドラマがはじまるのなんてもう再来週だ。
最近、随分と忙しそうだなとは思っていたが、それもそのはず。
主役ともあれば、いままでの忙しさなんて比にならないはず。



「浩ちゃんは、誰に一番に言ったんだろ……」



少なくとも、それはあたしではない。
現に間近に迫るまで知らなかったあたし。

浩ちゃんの活躍が嬉しくないわけじゃない。
ずっと応援してきた浩ちゃんが活躍するのは嬉しいに決まってる。

< 137 / 193 >

この作品をシェア

pagetop