君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「浩一、演技で伝えれよ」



俺の肩をポンっと叩く。



「浩一が頑張っていくことで、愛莉ちゃんにもなんか伝わるもんがあるんじゃねぇの?こんなとこでつまづいたら、愛莉ちゃんになんも伝わんねぇよ」


「……田城」



正直、田城にこんなことを言われるなんて思ってもいなかった。
田城は、普段からチャラチャラした男で、空気も読めないしこんなことを考えるなんて、それ以上言葉がでなかった。



「なんだよ、俺だってこのぐらい言うわ」


「……サンキュー、田城」



田城から貰ったペットボトルの中身を飲み干して、そばのゴミ箱に投げ入れる。



「お、ナイシュー」



なんて言ってる田城はいつもの田城だ。



「監督んとこ行ってくる!」



両頬をパンっと叩いて、控え室を出た。

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