君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「俺のことは俺が1番わかってるからさ、黙っててくれるかな」



少しイライラしたような口調になる浩ちゃん。



「京香と付き合ったりしたら、お前のこと軽蔑するから……帰る」



頭をかきながら、ドアを開けて出ていく凛月くん。



「なーんかしらけちゃった。あたしもかえろーっと、その気があれば連絡してね?」



凛月くんに続いて、笑顔で浩ちゃんに手を振って病室から出ていく。



「君もかえったら?」



誰もいなくなってシーンとする病室。
沈黙がつづくなか、破ったのは浩ちゃんだった。



「あたしも明日、東京帰るから。病院いくから……」


「別に止めやしねーよ。ただ、君と付き合ってた事実はみとめてないから」


「いつか分かってくれるまで、通い続けるから。今日は帰るね……」



浩ちゃんのことは見なかった。
ドアをしめて、ずっと耐えていた涙が頬をつたった。

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