君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「浩ちゃん、しつこくてごめんね」



あたしのことは好きにならないと言う浩ちゃん。
それなのに、諦めきれず何度もきて、迷惑だったと思う。



「行こうか、大ちゃん」



大ちゃんに手を握られたまま、あたしは歩きだした。



「……っ」



歩きだしたはずだった。

でも、後ろから強い力で引き寄せられて、あたしが、前に進むことはかなわなかった。



「浩、ちゃん?」



あたしの腕を引っ張っていたのは、ベッドの上の浩ちゃんで。
あたしの腕をはなしたあと、ハッと我にかえったようにさっきまで腕を掴んでいた自分の手を見つめてる。



「白崎さん、いい加減にやめましょうよ」


はぁっと深く息をついたあと、大ちゃんが浩ちゃんの枕元へと歩く。



「ごめん、大輔の邪魔をするつもりはなかったんっだけど、つい……」



フィッとあたしたちから顔を背けて、また窓を見つめる。

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