君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
あれから浩ちゃんは芸能界を引退した。
限られた役だけをやるだなんて、彼には耐えられなくて。

それでも、浩ちゃんは芸能界から離れることは選択肢になかったようだ。

こうして、芸能界にまた戻ってきて、監督という道を選んで、笑顔の日々を送っている。



「いつもありがとな、愛莉」



浩ちゃんは、本当に歩くことはできなくて、一生車椅子を余儀なくされてしまって、ずっと同じ体制でいると背中に褥瘡ができたりしてしまうから、常に見ている人が必要だ。

だから、妻であるあたしが常に一緒に現場にきている。

最初は、どうしたらいいのかあたしも浩ちゃんもわからなくて、ふたりで言い合いになったこともあった。

でも、それでも支えあって二人で生きてきた。

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