君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「あれからどーしてたのか。いま、なんで大輔といるのか聞かせてもらおうか」



浩ちゃんの家のドアを開けて、靴を脱いで彼は振り向いた。



「浩ちゃん……」


「靴脱げよ」


「う、うん……」



入るつもりなんて、なかった。
でも、ちゃんと話しておかないと、これから先もこうなりそうだから。
きちんと話して、別れをちゃんとしようと思った。

だから、靴を脱いだ。



「なんでさ、こんな身近で付き合ってんの?どーせなら俺と関係ないやつと付き合えよ」


「いや、付き合うつもりなんてなかったんだけど……」



俳優をやってるって時点で、いつか浩ちゃんと繋がるような関係は避けたいから、ダメだって思ってた。



「でも、結局は付き合ってるわけね」


「押しに負けた感じかな」



これは、嘘ではない。
でも、今はちゃんと大ちゃんのこと、あたしも思ってる。

< 26 / 193 >

この作品をシェア

pagetop