君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
大ちゃんは、こうしているとどこにでもいる可愛い男の子。
でも、世間ではテレビの中の人。

最近頭角を見せてきた、若手俳優のひとりだったりするんだ。



「大ちゃん、最近すごいよね。よくテレビで見る」


「もう、テレビでなんか見なくていいよ。俺はこうして愛ちゃんの前にいるんだから」



あたしにはこの言葉がお守りだった。

大ちゃん、あたしが前に付き合ってた人とすれ違いばかりで別れちゃったことを知ってるから。
だから、あたしを安心させるためにそうやって言ってくれてるって分かってる。
あたしを守ってくれる、大切にしてくれるこの手をあたしは離さないと決めたんだ。



『かわいい店員さん、こんにちは』



そう、毎日のようにカフェに来ていた大ちゃん。

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