君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「話せると思ってついてきたのにー」


「ちょ、痛いよ。京香ちゃん」



ボンボンと頭を叩かれて、明らかに八つ当たりされている小杉くん。



「京香さんって、白崎さんのファンなの?」


「ファンっていうかー「京香ちゃん、行こう」



京香ちゃんの言葉を遮って、小杉くんが彼女を連れていく。

なぜだろう。
小杉くんに、浩ちゃんのことを言ったことはないのに。
あたしが、かくしたがっていることになぜか気づいている様子で。



「あ、愛ちゃん。ちょっと行こう」



少し先の方を見据えて、大ちゃんがあたしの手を握って歩き出す。



「白崎さん」



こともあろうに、たどり着いた先は浩ちゃんのところ。

大ちゃんの声に浩ちゃんと隣の彼女の目がこちらに向けられる。

今日初めて絡まった、浩ちゃんとの視線。

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