君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「さっき紹介してなかったんで。彼女」



大ちゃんがニコニコとした顔で浩ちゃんに話しかける。



「あぁ、大輔の噂の彼女か」



浩ちゃんがあたしに向き直って、ニコリと笑顔を向ける。

それは、よそ行きの笑顔。
昔からずっと使っている、仲のいいひとたちに見せる笑顔とはまるで違う笑顔。



「は、はじめまして……」



浩ちゃんのよそ行きの笑顔に答えるように、あたしもよそ行きの笑顔を向ける。

よそ行きとよそ行き。
嘘で塗り固められたあたし達の笑顔。

誰もその笑顔が嘘だなんて、気が付かないだろう。



「大輔ずっと言ってましたよ。天使を見つけたとか」


「やめてくださいよ!白崎さん!」


「ほんとよかったな。やっと付き合えて」



大ちゃんに向ける笑顔は信頼のおける相手に向けられた笑顔だ。

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