君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
あのあと、気まずい雰囲気が流れたままで。
浩ちゃんのことを見ることもできなかったから、吉良優樹菜とあのあとどうなったのかは知らない。

……知りたくなんてないけど。
できるなら見たくもなかったけど。



〝なんかあったら言えよ〟



最後にそうLINEがきてた。
言えるわけなんてない。
大ちゃんが気にしてるのに、そんなことできない。

大ちゃんの不安材料は排除してあげることがいまのあたしにできることなんだから。



「そういえば、京香ちゃん……」



途中から彼女のことなんて頭になかったけど。
浩ちゃんとはなしたがってたけど、話せたのかな。

彼女のことを思い出すと、高校時代を思い出す。
あたしと浩ちゃんがいい感じになるといつも邪魔してきてた。
だから、なかなか最初付き合えなかったけど。

今となってはどれも過去の話だ。



「忘れよう。忘れなきゃ」



頭をブルブルッと振って、家路を歩いた。

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