君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
1人でいることには慣れているはずだった。

でも、いつの間にか大ちゃんと一緒にいることが日常だった。
大ちゃんが毎日カフェに来てくれるのも楽しみだった。

慣れって、すごいんだな。



『泣いてる……?』


「泣いてなんか……」


『無理すんなって』



泣いてないって言いたいのに。
『無理すんな』っていう、浩ちゃんの声がすごく優しくて。
涙はボロボロと流れて止まらない。



『大輔のこと泣くほど好きなんだな』


「……っ」



大ちゃんのことが好きなはずだった。
でも、いまあたしが泣いているのは好きだからじゃない。
ひとりでいるのが寂しいから。

こう考えると、自分の気持ちがわからなくなってきてしまう。



「浩ちゃん、ありがとう。大丈夫だから」



このままだと、あたしは浩ちゃんにすがってしまう。

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