君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
そうなる前に自分で予防線を引いた。

なのに、どうしてなんだろう。
電話を切ってもう、浩ちゃんと関わるのはよそうって思った。
これ以上、浩ちゃんと関わっていたら、大ちゃんとはこのままだ。

寂しい思いなんてもうしたくない。
浩ちゃんはあの日、あたしのことを好きだと言ったけど。
でも、吉良優樹菜の肩を抱いていた姿が目に焼き付いてる。

あたしにも新しい出会いがあるように、浩ちゃんにも新しい出会いがあったんだ。
今はもう知らない。
この2年間の浩ちゃんは、あたしの知らない浩ちゃんなんだから。

だから、もう、浩ちゃんとの未来は見れない。
だから、もう、関わらない。
そうするつもりだった。



──ピンポーン



ソファーで横になりながら、これからのことを考えていると突然鳴り響くチャイム。



「え?誰?」

< 53 / 193 >

この作品をシェア

pagetop