君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
あたしの家に来るひとなんて、大ちゃん以外にはいない。
地元から離れてからこっちでは友達すらできていないあたしだ。
訪ねて来る人なんていないんだ。



「はい?」



警戒心たっぷりにインターフォンのボタンを押して応える。



『……愛莉?』


「えっ!?」



インターフォンから聞こえてきたのは、聞き間違えるはずのない浩ちゃんの声。



「浩ちゃん、なんで?」



あたしは慌てて、玄関まで走ってドアを開ける。



「泣いてるお前、放っておけるわけないだろ」



ドアを開けた瞬間、浩ちゃんの目サングラスが外される。



「でも、家……」


「小杉に聞いた」


「小杉くん……」



そうだ、彼には前に職場の飲み会のあとに送ってもらったことがあった。

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