君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「とりあえず、俺は入れてもらえるのかな?もらえないのかな?」


「近所迷惑だから入って……」



浩ちゃんに中に入ってもらって、鍵をしめる。



「鍵しめちゃっていいのー?俺に襲われるかもよ?」


「はぁ?じゃあ出てっていいけど」


「ばーか。嘘だよ」



ぽんぽんっとあたしの頭に触れて、靴を脱いで入っていく。



「うわー、愛莉の家って感じ」


「なに、それ?」


「んー。なんか愛莉らしい。俺ら自分たちの部屋あったじゃん。あん時と変わってねぇ」



懐かしそうに目を細めて、微笑む。



「そんな簡単には変わらないよ」



実際に、あたしはあのころのまま。
何年経っても、浩ちゃんが心の中にいる。



「変わったのは俺らの関係だけか」



ふうっとため息をついて、ソファーに座る。

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