君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「最近さ」



お茶でも出そうと、立ち上がったあたしの腕を浩ちゃんが掴む。



「え?」


「大輔、めっちゃ女優とかモデルに声掛けまくってるんだよ」


「……え?」



浩ちゃんの話す、大ちゃんの話はあたしが今まで見てきた大ちゃんとは全然違って。
思わず、首を傾げてしまう。



「もちろん、いままではそんなことなかったよ。マジで興味ないかんじだったし」


「うん」


「原因が分かってるだけに、俺も何も言えなくてな」


「……うん」



さっきから同じ返事しかできない。
だって、なんか他人事のようで。
自分の彼氏がそんなふうになっていることに、現実味を感じない。

でも、なんでだろう。

あぁ、きっともうダメなんだ。
そう思ったらなんでかわかんないけど、瞳からは涙がこぼれる。

浩ちゃんの前でなんか泣きたくないのに。

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