君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
「ごめん、ほんとごめん」



あたしが泣いていることに気がついて、掴んでいた腕をぐいっとあたしを浩ちゃんの腕の中に引っ張る。



「浩ちゃん、彼女に悪いよ?」


「彼女?」


「彼女に悪いから、誰にでも優しくしちゃダメ」



大切にしなければいけない人を間違えてはいけない。



「俺、彼女なんかいねーんだけど?」


「だって、この前……」


「あー、優樹菜?」



思い出したように彼女の名前を口にする。



「すごく仲良さそうだった。肩なんて抱いちゃって……」


「別にただの友達。あそこに行くのに相手がに必要だったから連れてっただけ……ってか、あいつ来てたよな?」


「京香ちゃん?」



あたしの言葉にこくんと頷く。



「目も合わせてくれないって悔しがってた」


「なんで、お前アイツと一緒にきんだよ。俺なんて名前も忘れてたわ」

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