君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい

浩ちゃんが京香ちゃんの名前を忘れてたってことに、内心喜んでる。
あたしは、本当は酷い人間なのかもしれない。



「小杉くんが連れてきたんだよ」


「小杉？なんだよ、あいつ。どこで知り合ったんだよ」


「さぁ？浩ちゃんと話せると思って来たみたいだよ」


「なんだよ、それ」



あたしの言葉に大きなため息をつく。



「仕方ないじゃん。あのころから変わってないだけだよ」


「いや、アイツだけはいい加減やめて欲しい」



心底嫌そうな顔をする浩ちゃん。



「まぁ、そうだよね……」



あのころ、付き合いたかったあたしちのことを何度も邪魔をしてきた彼女。
いい思い出なんかない。



「アイツがいなけりゃお前ともっと早く付き合えてたわ」


「たしかにー。でも、どのみち別れてんだから、もういいじゃない」