君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい
付き合った月数が少し多くなったところで、結末は変わらない。



「そんな冷たいこというなっつーの。あの時はマジでお前は別のやつを好きだと思ってたんだから」


「いやいや。それはこっちのセリフ。忘れられない人がいるくせにあたしに思わせぶりな態度とってるって思ってたんだから」


「アイツの思うツボな」



フッと笑う。

あのころ辛かった記憶も、あれから無事に付き合えたあたしたちには笑い話になってる。

だから、いまこの瞬間も。
いつか、笑い話になるんだから。



「……そっか、付き合ってないんだね」



急に実感が湧いてきた、浩ちゃんに彼女がいないという事実。



「話の脈略ねーけど」


「急に思ったの!」



なんだろう。
やっぱり、ホッとしてる。
浩ちゃんに彼女がいないって知って、ホッとしてる。

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